2016年11月17日木曜日

育児にとって害悪なのはスマホではなくて「正論」

日本小児科医会が、読売新聞で「スマホ子守やめて」と啓発記事を載せたことが話題になっています。なぜかリンクは削除されているので以下引用。
”日本小児科医会の内海裕美常任理事は「乳幼児期は脳や体が発達する大切な時期。子供がぐずるとスマホを与えて静かにさせる親がよくいるが、乳幼児にスマホを見せていては、親が子供の反応を見ながらあやす心の交流が減ってしまう」と指摘する。また、画面をなぞるだけの仮想体験を重ねることが、手の機能や五感を育むことに影響を与えかねないと心配する。
子供をあやすためにでんでん太鼓を与えることとスマホを与えることと何が違うんだろうという疑問はさておき、何事もやりすぎはよくないので、スマホも状況を見て適度に使えばいいし、絶対にダメと言い切るほどには悪影響の内容は明らかになっていません。

心配しなくてもほとんどの母親はほどよく活用しているし、子供との交流や五感の発達に気を配っています。たまたま一時的にスマホを使っている母親を見かけたからといって、今どきの母親はと憤る必要もないし、子供の将来も日本の未来も憂いる必要はありません。

大丈夫、ママたちはあなたたちよりもしっかりしています。


小児科学会がなぜこのような啓発をおこなったかは分かりませんが、「正論」であることは間違いありません。学会が正論吐くのはいいとして、このような「正論」にのっかかって子育て中の親をむやみに叩こうとする人が出てくるのは困ったものです。


スマホに限らず、育児とはこうあるべきだと「正論」をふりかざす人はいつの時代にもいます。

そういう人は子育てをやったことがないか、たまたま育てやすい子だったおかげでうまくいった経験者であって、いずれにしても実際にタフな子育てをするにあたっては参考にするに値しないご意見しか持っておられない方々なので、イタズラをした子供を見つめるがごとく「しょーがないわね」でスルーするのが正しい対応かと思います。


母親と子供がほほえましく交流している図を見たい人って、どうしてこんなに多いんでしょうね?
(↓こういうやつね)








しかも決まって母親ですよね。母性と自己犠牲により子供に注がれる「無償の愛」?どうしたの?あなたの母親からの愛情が足りなかったの?それとも優しいママンがなつかしいの?だからみんなにもそうして欲しいの?郷愁でしょうか、いいえマザコンです。


「子育てとはこうあるべき!」言われる内容は、「正論」っぽく聞こえます。ただし実効性はありません。それだけでなく、正解がないはずの育児にわざわざ正解を作って、そこから外れた人をダメ認定する「正論」の不寛容さは、間違いなく育児にとって害悪です。

スマホを使ってはいけない、ベビーカーではなく抱っこひもにしろ、いつもニコニコしろ絶対怒るな、手間をかけた手作りの食事を毎食用意すべき、自由にのびのびさせろ、イヤしつけと礼儀作法が先、母親は自分の楽しみをすべて犠牲にして子供に尽くすべき・・・。

よし、わかった、お前がやれ。


安全なところから正論を吐くのは気持ちがいいですが、子育てには役に立ちません。子育てにはまだまだ分からないことだらけですが、これだけは断言できます。正論は不要!

私たちは本当の育児で忙しいので、机上の育児はよそでやっていただきたい。


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