2015年4月10日金曜日

文科省から配られた教科書を入れる封筒が恩着せがましい



次女が小学一年生になりました。去年長女にが入学していることもあり、親子で緊張感のないゆるーい感じの入学です。

さて、入学式の日には教科書の配布があるのですが、そこにこんな封筒が添えられていました。



教科書を入れるように文科省から配布されている封筒で、その裏面にこんな文言が。


wakani要約:
「この教科書は国がタダでくばってやってるんだぜ。ありがたいだろ?だからしっかり国の繁栄と福祉に貢献しろよ。子供にもそのへんよーく言って聞かせて、大事に使えって言っとけ。 by 文部科学省」

・・・
・・・

読んだ瞬間「はぁ!?」ってなりました。

もともとの文章はもっとていねいな言葉づかいですが、このくらい人をイラッとさせる見本のような文章でした。私は明らかに不快でしたが、他の人は大丈夫だったんでしょうか。


無償配布はありがたいし、教科書を大事に使うのは当然のことだから、
それほど間違ったことは書いてないはずなのに、何がこんなに不快だったのか、ちょっと考えてみました。


まず、
お前の手柄じゃねぇよ
というのが大きいですね。

そもそも原資は税金であり、なにも文科省がポケットマネーから出してくれているわけではありません。無償配布が始まったのも、もともとは有償だったものが昭和30年代の国民運動からしぶしぶ認められたものです。感謝するとしたら、税金を払ってくれているみなさん(注:自分含む)と、そういった運動に従事してこられた方々です。


次に、
なんで教育の目的が「国の繁栄と福祉に貢献」ありき?
これに尽きます。

たぶん一番問題視されるのがココ。別に子供が日本のために頑張ろうとすることはかまいませんが、教育の目的はそれだけじゃないし、小学校の教科書もらったくらいで人生のゴール設定されたらたまったもんじゃありません。じゃあナニかい?将来海外で活躍したり外国籍取ったりしたら非国民なわけかい?教科書代請求されるんかい?教育って国のためにあるんかい?


あとね、
教科書配布にかこつけて自省の宣伝
っていうのが気にくわない。

表にも裏にも印刷された「文部科学省」の文字。スマホ画面をスクロールした時にしれっと出てくる広告レベル。ウザい。何度も言うが、教科書無償配布は文科省の手柄じゃない。これが多くの小学校で教科書とともに配られる。いらなくても配られる。先生だっていそがしいのに、全員に配る。ムダ。


きわめつけ。
教科書を入れるために配られている封筒でありながら、
教科書入らないし!小さすぎるし!

もうね、説明する先生も「すいませんねー、それには入らないんですよー、アハハー」って感じで、強制だから仕方なく配ってるって丸わかり。子供たちが無理やり教科書を入れようとして、教室中に響き渡るビリッ!バリリッ!というなさけない音。ついでにいうなら、入学式の日なんて大荷物になるって文科省も絶対知ってるんだから、配るんなら手提げだろ。持ちにくい封筒タイプ、重い本を入れるのに破れやすい薄い紙、そもそも足りていないサイズ。不毛・・・!まさに不毛・・・!


この思いやりのなさ、非効率さ、恩着せがましさが日本の公教育の現状を表しているのだとしたら、なんだか暗ーい気持ちになってきます。現場の先生の努力でカバーできたとしても限度があるでしょう。だからみんな私学や海外に逃げていくのでしょうか。お金がある人はそれでいいかもしれませんが、そうじゃない人はどうすればいいんでしょうか。

とりあえず来年あたりからこのダサくて使えない封筒がなくなってくれたら、「文科省も分かってくれたんだ!」と日本の教育システムに希望が持てる、かも知れません。

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